会社に副業が知られる仕組みとは?住民税・社会保険・就業規則を解説
最終更新日:2026年8月18日
「副業を始めると、住民税から会社へ自動的に連絡される」「マイナンバーで勤務先にすべての収入が伝わる」と思っている人もいるでしょう。しかし、会社に副業が知られる仕組みは、それほど単純ではありません。
会社が副業を把握する主な経路は、住民税、社会保険の手続き、就業規則に基づく届出、年末調整書類、本人の行動や公開情報です。
重要なのは、副業が「アルバイトなどの給与」なのか、「業務委託・フリーランスの報酬」なのかを分けて考えることです。同じ月5万円の収入でも、会社へ伝わる可能性がある制度や手続きは異なります。
この記事では、会社側が実際に確認できる情報、副業の種類による違い、住民税を自分で納付するときの限界、社会保険の「二以上事業所勤務」、就業規則を確認する方法まで解説します。
※本記事は2026年8月18日時点の制度を基にした一般的な解説です。住民税の運用は自治体、社会保険の適用は勤務条件、就業規則の扱いは会社ごとに異なります。個別の税務・労務判断は、自治体、税務署、年金事務所、社会保険労務士、弁護士などへ確認してください。
会社に副業が知られる仕組みは一つではない

副業が会社へ知られるのは、一つの制度が副業情報を一括通知するからではなく、複数の情報が人事・給与担当者の目に入るためです。
まず、「疑われる段階」と「確認される段階」を分けて考えましょう。住民税額が想定より高いだけでは、会社は副業の取引先や仕事内容まで断定できません。一方、社会保険の二以上事業所勤務や社内の副業届では、別の勤務先があることを会社が直接把握します。
| 知られる経路 | 会社が把握し得ること | 起こりやすい時期 | 確認の確度 |
|---|---|---|---|
| 住民税の特別徴収 | 会社が天引きする住民税の年額・月額 | 副業収入を得た翌年5~6月ごろ | 副収入を疑う材料にはなるが、仕事内容までは分からない |
| 社会保険の二以上事業所勤務 | 複数の適用事業所で社会保険に加入する事実 | 副業先でも加入要件を満たしたとき | 高い |
| 就業規則に基づく届出 | 勤務先、業務内容、労働時間など届出項目 | 副業開始前または開始時 | 高い |
| 年末調整の申告書 | 給与以外を含む合計所得金額の見積額 | 年末調整時 | 記載内容による |
| 同僚・取引先・SNS | 屋号、活動名、仕事内容、勤務の様子 | 随時 | 公開内容や証言による |
| 本業への支障 | 遅刻、居眠り、急な欠勤、成果低下など | 副業開始後 | 副業の存在より、労務提供上の問題が先に確認されることがある |
| 会社設備・情報の利用 | 社用PC、メール、ネットワークなどの利用履歴 | 随時 | 高い場合がある |
会社が副業の内容まで自動的に照会できるわけではない
会社は、従業員のマイナンバーを持っているだけで確定申告書、銀行口座、取引先、すべての所得を自由に閲覧できるわけではありません。
住民税の通知から分かるのは、基本的に会社が給与から差し引く税額です。通常、その数字だけで「どの会社から、いくらの副業収入を得たか」まで特定することはできません。
ただし、会社の給与だけから想定される税額と実際の通知額に大きな差があれば、給与担当者が理由を尋ねる可能性はあります。副業以外にも、不動産所得、株式の申告、医療費控除、ふるさと納税、扶養の変更などで住民税額は変わるため、税額差だけで副業が確定するわけではありません。
住民税から会社に副業を知られる仕組み
住民税が副業発覚のきっかけになりやすいのは、本業と副業に関する所得を基に計算された税額が、本業の会社へ特別徴収額として通知される場合があるためです。
会社員の住民税は、原則として会社が毎月の給与から差し引く「特別徴収」で納めます。市区町村は、勤務先から提出された給与支払報告書や本人の確定申告書・住民税申告書などを基に税額を計算し、通常は5月末までに会社へ通知します。会社は通知された税額を6月から翌年5月まで給与から差し引きます。
- 本業と副業で前年1月~12月に収入を得る
- 本業・副業の給与支払者が市区町村へ給与支払報告書を提出する
- 必要に応じて本人が所得税の確定申告または住民税申告を行う
- 市区町村が前年の所得を基に住民税額を計算する
- 特別徴収分が本業の会社へ通知される
- 本業の給与から住民税が天引きされる
たとえば2026年中に得た副業所得は、原則として2027年度の住民税へ反映され、2027年6月以降の給与天引きに影響します。副業を始めてすぐではなく、翌年5~6月ごろに税額の変化が表面化しやすいことがポイントです。
副業がアルバイト給与の場合は住民税を分けにくい
副業先から受け取るお金が「給与」である場合、その給与に対応する住民税だけを自分で納付する方法は、原則として選べません。
副業先の会社も、従業員の住所地へ給与支払報告書を提出します。市区町村は本業と副業の給与を合算して住民税を計算し、主たる勤務先の給与から特別徴収するのが一般的です。
確定申告の「住民税の徴収方法」で選べるのは、原則として給与・公的年金等に係る所得以外の住民税です。アルバイト代を事業所得や雑所得として申告し直すことはできません。契約名ではなく、実際の働き方により給与か業務委託報酬かが判断されます。
業務委託・フリーランスなら「自分で納付」を選べる場合がある
ライティング、デザイン、動画編集などの給与以外の所得は、申告時に住民税を「自分で納付」と選ぶことで、その部分を普通徴収にできる場合があります。
確定申告書等作成コーナーでは、住民税の徴収方法について「特別徴収(給与から天引き)」または「自分で納付」を選択できます。「自分で納付」を選び、自治体がそのとおり処理すれば、給与以外の所得に対応する住民税の納付書などが本人へ届きます。
ただし、次の点に注意してください。
- 選択対象は原則として給与・公的年金等以外の所得である
- 申告時に選択を忘れると、特別徴収として処理される可能性がある
- 所得や控除の状況によっては、希望どおりに分離できない場合がある
- 自治体の処理や申告内容により扱いが異なるため、住所地の市区町村へ確認が必要である
- 普通徴収にしても、SNS、就業規則、社会保険など別の経路は残る
普通徴収は住民税の納付方法であり、「会社に絶対知られない制度」ではありません。
会社へ届く通知書に副業名や取引先は書かれない
会社向けの特別徴収税額通知だけで、副業先の名称、仕事内容、売上、必要経費まで会社へ通知されるわけではありません。
会社は従業員ごとの年税額と月ごとの徴収額を確認し、給与から差し引きます。本人向け通知には所得や控除などの情報が記載されますが、会社向け通知と本人向け通知は役割が異なります。
そのため、実務上は「通知書へ副業と書かれて発覚する」というより、給与担当者が税額の違和感に気づいて質問する形が考えられます。すべての会社が従業員の税額を本業給与と照合しているわけではなく、担当者が税額だけで副業を断定できるわけでもありません。
副業所得20万円以下でも住民税の申告が必要な場合がある
「20万円以下なら申告不要」という基準は所得税の確定申告に関する特例であり、住民税まで一律に申告不要になる基準ではありません。
年末調整済みの給与所得者は、給与以外の所得が20万円以下なら所得税の確定申告が不要になる場合があります。しかし、住民税には同じ申告省略制度がないため、原則として住所地の自治体へ住民税申告が必要です。
また、医療費控除や寄附金控除などのために所得税の確定申告をする場合は、20万円以下の副業所得も含めて申告します。売上ではなく、原則として収入から必要経費を差し引いた「所得」で判定する点にも注意しましょう。
住民税額がどれくらい増えると気づかれるのか
「副業所得が何円なら会社に気づかれる」という公的な基準や一律の金額はありません。
個人住民税の所得割は標準的には合計10%ですが、追加所得がそのまま課税所得になるとは限らず、控除、損益、税額控除、自治体の扱いによって結果は変わります。
単純化して、他の条件が変わらず課税所得が副業により50万円増えたと仮定すると、住民税の所得割は概算で約5万円増える計算です。月の特別徴収額に直せば平均約4,167円ですが、これは仕組みを理解するための試算であり、実際の税額や発覚可能性を示すものではありません。
社会保険から会社に副業が知られる仕組み
社会保険で会社が副業を把握しやすいのは、本業と副業の両方で健康保険・厚生年金保険の加入要件を満たすケースです。
社会保険は、勤務先ごとに加入要件を判定します。二つの会社の労働時間を足して加入要件を満たすか判断するのではなく、まず各事業所で要件を満たすかを確認します。
両方の勤務先で被保険者になる場合、本人は主たる事業所を選び、「健康保険・厚生年金保険 被保険者所属選択・二以上事業所勤務届」を原則として事実発生から10日以内に提出します。
二以上事業所勤務になると両社が手続きへ関与する
本業と副業の両方で社会保険へ加入すると、各社の報酬月額を合算して標準報酬月額を決め、保険料を各社の報酬に応じて按分するため、会社側も複数勤務を把握します。
たとえば本業の報酬月額が30万円、副業先が10万円で、両社とも加入要件を満たす場合、合計40万円を基に標準報酬月額が決まります。その保険料を各社の報酬割合に応じて分け、それぞれの給与から控除します。
この手続きを行うには、両社が自社分の保険料を処理する必要があります。住民税のように税額差から推測される経路ではなく、制度上の手続きとして副業先の存在が伝わる可能性が高いケースです。
短時間労働者の加入要件を副業先ごとに確認する
アルバイト副業では、労働時間、雇用期間、学生区分、勤務先の規模などを副業先ごとに確認する必要があります。
2026年8月時点では、正社員の所定労働時間・日数の4分の3未満で働く短時間労働者でも、被保険者数51人以上の企業などで、週の所定労働時間20時間以上、学生でない、所定内賃金月額8.8万円以上などの要件を満たすと加入対象になります。
日本年金機構は、月額8.8万円以上の賃金要件を2026年10月に撤廃予定と案内しています。また、企業規模要件も段階的な縮小が予定されています。長期の副業を考える場合は、開始時だけでなく制度改正後の加入要件も確認してください。
業務委託の利益は会社員の社会保険料へ通常合算されない
会社員が個人で得た業務委託報酬や事業所得・雑所得は、勤務先の健康保険・厚生年金保険料を計算する報酬月額へ通常は加算されません。
社会保険料は税金の所得計算と同じ仕組みではありません。会社員がクラウドソーシング、ブログ、動画制作、物販などで利益を得ても、それだけで本業の標準報酬月額が上がり、会社へ通知されるわけではありません。
ただし、自分で法人を設立して役員報酬を受ける場合や、実態が雇用契約に当たる場合などは扱いが変わります。「業務委託契約」と書かれていても、勤務時間や指揮命令など実態によって判断されるため、契約名だけで決めつけないようにしましょう。
雇用保険は社会保険と同じ扱いではない
雇用保険は原則として、複数の会社で同時に加入するのではなく、主たる賃金を受ける一つの雇用関係で加入します。
そのため、副業先で雇用保険の加入条件に近づいただけで、必ず本業会社へ副業が通知されるとは限りません。ただし、65歳以上のマルチジョブホルダー制度など例外があります。健康保険・厚生年金、雇用保険、労災保険は仕組みが異なるため、一括して判断せず、副業先またはハローワークへ確認してください。
年末調整の書類から副業所得が分かる場合もある
住民税だけでなく、勤務先へ提出する「給与所得者の基礎控除申告書」などの合計所得金額の見積りから、給与以外の所得があることを会社が把握する場合があります。
所得税の基礎控除額は本人の合計所得金額に応じて決まるため、年末調整の申告書では本業給与以外の所得も含めた見積額を記載します。会社は年末調整を行う源泉徴収義務者として、その申告書を受け取ります。
ここで記載するのは売上ではなく所得の見積額です。業務に係る雑所得なら、原則として総収入金額から必要経費を差し引いて計算します。会社に知られたくないという理由で事実と異なる金額を記載すると、年末調整の計算が不正確になる可能性があります。
年末調整と確定申告は役割が違う
副業先の給与や業務委託所得は、本業の年末調整だけですべて精算できるとは限りません。
本業の会社が行う年末調整は、原則としてその会社が支払った主たる給与を対象にします。副業先の給与は原則として年末調整されず、条件に該当する場合は本人が確定申告を行います。業務委託による事業所得・雑所得も、必要に応じて本人が申告します。
「年末調整で書いたから確定申告は不要」「確定申告をするから年末調整書類には書かなくてよい」と自己判断せず、それぞれの書類の記載要領を確認しましょう。
就業規則で副業が知られる・問題になる仕組み
税金や社会保険で知られるかどうかとは別に、就業規則が副業の事前申請・届出を求めている場合は、その社内手続きに従う必要があります。
厚生労働省のモデル就業規則は、勤務時間外に他社の業務へ従事できることを基本とし、届出に基づいて会社が確認する形を示しています。しかし、モデル就業規則がそのまま自分の会社へ適用されるわけではありません。実際のルールは、自社の就業規則、雇用契約書、誓約書、副業・兼業規程などで確認します。
会社が副業を禁止・制限できる主な4ケース
厚生労働省のモデル就業規則では、労務提供上の支障、秘密漏えい、信用毀損、競業による利益侵害がある場合に、副業を禁止・制限できる考え方を示しています。
| 制限理由 | 問題になり得る例 | 副業前に確認すること |
|---|---|---|
| 労務提供上の支障 | 深夜勤務による遅刻・居眠り、長時間労働、欠勤の増加 | 本業と副業の総労働時間、休息、納期 |
| 企業秘密の漏えい | 顧客情報や社内資料を副業へ転用する | 秘密情報の範囲、データ・端末の分離 |
| 名誉・信用の毀損 | 会社名を使った不適切な営業、違法・反社会的な業務 | 会社名・肩書の利用条件、SNS方針 |
| 競業による利益侵害 | 競合企業で同じ業務を行う、顧客を奪う | 競合の範囲、顧客・ノウハウとの重複 |
裁判例を踏まえた厚生労働省のガイドラインでは、労働時間以外の時間の利用は基本的に労働者の自由であり、原則として副業・兼業を認める方向が適当とされています。一方で、会社の正当な利益や労働者の健康を守るための合理的な制限まで無効になるわけではありません。
届出制と許可制は同じではない
届出制は所定の情報を会社へ伝える仕組み、許可制は会社の承認を得てから始める仕組みであり、必要な対応が異なります。
就業規則では、「副業」「兼業」「他社就労」「競業」「秘密保持」「懲戒」の項目を検索します。本文だけでなく、別規程や申請フォームが設けられている場合もあります。
申請が必要なら、少なくとも次の項目を整理しておくと説明しやすくなります。
- 副業先の業種と仕事内容
- 雇用契約か業務委託契約か
- 開始日と予定期間
- 勤務日、勤務時間、月の見込み時間
- 本業との競合や取引関係の有無
- 秘密情報を利用しないための対策
- 健康管理と本業へ支障を出さない方法
副業を申告しただけで必ず解雇されるわけではない
就業規則違反があっても、形式的な違反だけで直ちに重い懲戒が有効になるとは限らず、副業の内容、本業への支障、会社の規定、過去の対応などを踏まえて判断されます。
反対に、無断副業に加えて機密情報の持ち出し、競合顧客への営業、虚偽報告、長時間労働による重大な支障があれば、問題は大きくなります。「副業は私生活だから会社に一切関係ない」と考えるのも、「知られたら必ず解雇」と考えるのも正確ではありません。
副業の種類別に知られる経路を比較
会社に知られる可能性を判断するときは、収入額より先に「給与か報酬か」「副業先でも社会保険へ加入するか」「公開活動か」を確認します。
| 副業の形 | 住民税 | 社会保険 | その他の経路 | 主な注意点 |
|---|---|---|---|---|
| アルバイト・パート | 給与分を本業と分けにくい | 両社で加入要件を満たすと二以上事業所勤務 | 労働時間の申告、同僚、勤務先での目撃 | 住民税と社会保険の両方を確認 |
| 業務委託・フリーランス | 給与以外の所得なら普通徴収を選べる場合がある | 個人の利益は勤務先の報酬月額へ通常加算されない | ポートフォリオ、SNS、取引先 | 契約の実態、申告、機密保持 |
| ブログ・動画・スキル販売 | 所得があれば申告へ反映 | 個人活動だけなら通常は影響しない | 検索結果、プロフィール、広告表記 | 利益が少なくても公開情報から知られる可能性 |
| 自分の法人から役員報酬 | 給与として扱われる | 二以上事業所勤務になる可能性がある | 法人登記、会社サイト | 税務・社会保険とも専門家への確認を推奨 |
| 株式・投資信託など | 口座区分や申告方法により異なる | 通常は勤務先の社会保険料へ影響しない | 社内のインサイダー取引規程 | 副業禁止規定とは別の社内規程を確認 |
利益が出ていない副業でも知られることはある
住民税へ反映されない赤字・無収益の活動でも、SNS、実名プロフィール、取引先、同僚との会話から会社へ知られる可能性はあります。
ブログを始めたが広告収入は0円、動画投稿を始めたが収益化前という場合、税額の変化はなくても活動自体は公開されています。会社の規程が「収入の有無」ではなく「他の業務への従事」や「営利活動」を対象にしていることもあるため、収益額だけで届出の要否を判断しないでください。
副業を始める前に確認する7項目
副業を隠す方法を探すより、契約形態、社内ルール、税金、社会保険を開始前に整理する方が、追徴・無断副業・過重労働のリスクを減らせます。
| 確認項目 | 具体的に確認する内容 | 確認先 |
|---|---|---|
| 1.就業規則 | 禁止・許可・届出、競業、秘密保持、労働時間 | 就業規則、雇用契約書、人事 |
| 2.契約形態 | 雇用契約か業務委託か、実際の指揮命令関係 | 副業先の契約書・労働条件通知書 |
| 3.社会保険 | 副業先単独で加入要件を満たすか | 副業先、年金事務所、健康保険組合 |
| 4.申告方法 | 所得区分、必要経費、確定申告・住民税申告の要否 | 税務署、自治体、税理士 |
| 5.住民税の納付方法 | 給与以外の所得を普通徴収にできるか | 住所地の市区町村 |
| 6.情報管理 | 社用端末・資料・顧客情報を使わない仕組み | 本業の情報管理規程、副業契約 |
| 7.総労働時間 | 本業と副業を合わせた勤務時間、睡眠、休日 | 自分の作業記録、会社の届出様式 |
本業と副業の情報・設備を完全に分ける
社用PC、会社メール、会社のクラウド、顧客リスト、勤務時間を副業へ使わないことは、発覚対策ではなく契約・情報セキュリティ上の基本です。
自分の端末とアカウントを使っていても、本業で知った非公開情報を副業へ転用してはいけません。生成AIへ社内資料を入力する行為も、会社の情報管理規程や利用ルールに違反する可能性があります。
副業の始め方や現実的な作業時間を整理したい人は、平日1日1時間でできる副業おすすめ10選も参考にしてください。
収入と経費は最初の1円から記録する
申告が必要になってから過去の入出金を集めるのではなく、副業開始日から売上、手数料、経費、領収書、作業内容を記録します。
「20万円以下に見えるから記録しない」という方法では、所得を正しく判定できません。プラットフォーム手数料、ソフト代、業務使用分の通信費などを記録し、私用分が混在する支出は合理的な基準で区分します。
月の目標を作業量へ分解する方法は、副業で月5万円稼ぐには何をすればよい?必要な作業時間とスキルで詳しく解説しています。
会社に副業を知られたときの対応
会社から副業について質問されたら、反射的に否定したり証拠を削除したりせず、どの規程と事実が問題になっているのかを確認します。
- 質問内容を確認する:副業の存在、労働時間、競業、情報漏えい、住民税のどれを確認されているか整理します。
- 就業規則を読み直す:届出期限、許可条件、禁止範囲、懲戒規定を確認します。
- 事実を時系列で整理する:開始日、契約形態、仕事内容、勤務時間、収入、会社情報の利用有無をまとめます。
- 是正案を出す:届出の提出、勤務時間の短縮、競合案件からの撤退、情報管理の改善などを検討します。
- 重要なやり取りを記録する:面談日時、説明内容、会社からの指示を残します。
- 重い処分を示されたら相談する:労働組合、都道府県労働局の総合労働相談コーナー、弁護士などへ相談します。
会社へ説明するときは「収入額」だけでなく支障の有無を示す
会社が確認したいのは、副業収入の多寡だけではなく、本業への支障、競業、秘密保持、健康管理に問題がないかという点です。
たとえば「月3万円です」だけで終わらせず、「土曜日に月10時間、非競合のWeb記事を自宅の個人PCで制作し、会社の顧客情報は使わない」のように、業務内容とリスク対策を説明すると論点が明確になります。
会社に副業が知られる仕組みに関する誤解
税金を正しく申告しながら会社へ絶対に知られない方法はなく、特定の一手続きだけで完全に防げると考えるのは危険です。
| よくある認識 | 実際の考え方 |
|---|---|
| 副業所得20万円以下なら誰にも分からない | 所得税の確定申告が不要でも住民税申告が必要な場合があり、公開情報など別経路もある |
| 普通徴収にすれば絶対に知られない | 給与副業は原則として対象外で、社会保険・社内届出・SNSなどの経路は残る |
| マイナンバーで会社へ副業先が自動表示される | 会社がマイナンバーだけで確定申告や口座情報を自由に照会できるわけではない |
| 開業届を出すと本業会社へ通知される | 開業届そのものが勤務先へ自動送付される仕組みではないが、住民税や公開情報は別に考える |
| 現金払いなら申告しなくてよい | 受取方法にかかわらず、課税対象となる所得は適切に申告する必要がある |
会社と副業に関するよくある質問
住民税・社会保険・就業規則は別々の制度なので、一つの回答をすべての副業へ当てはめないことが重要です。
住民税から副業先の会社名まで分かりますか?
通常、会社向けの特別徴収税額通知だけで、副業先の会社名や業務内容まで分かるわけではありません。
会社が確認するのは主に徴収する税額です。ただし、副業先でも給与を受けている場合は、社会保険手続き、労働時間の届出、同僚や取引先など別の経路から勤務先が特定される可能性があります。
副業先が本業の会社へ直接連絡することはありますか?
一般的な採用・契約だけで副業先が本業会社へ自動連絡する制度はありませんが、在籍確認、社会保険、労働時間管理などで連絡や情報確認が必要になる場合があります。
副業先へ本業会社の連絡先を提出するときは、何の目的で使うのか確認してください。本人の同意なく自由に個人情報を共有してよいわけではありませんが、法定手続きや安全配慮のために必要な情報は適切に申告する必要があります。
副業を普通徴収にしたか確認する方法はありますか?
申告後に住所地の市区町村へ、給与以外の所得に対応する住民税が普通徴収として処理されるか確認する方法があります。
問い合わせ時期や回答できる内容は自治体により異なります。確定申告書の控えを保存し、住民税の納税通知書と本業会社から受け取る税額通知も確認してください。
副業が赤字なら会社に申告しなくてよいですか?
税務上の所得が0円または赤字でも、会社の副業届が不要になるとは限りません。
就業規則が他社での就労、事業活動、競業行為などを届出対象としていれば、利益が出ていなくても対象になる可能性があります。また、所得区分によって赤字を本業給与と相殺できるかどうかも異なるため、安易に損益通算しないでください。
副業禁止の会社では何も始められませんか?
まず禁止の文言、対象範囲、許可例外を確認し、非競合・少時間・業務委託など具体的な条件で相談する余地があるか検討します。
会社が副業を制限する理由には、長時間労働、秘密保持、競業、信用維持があります。これらへ対策を示せば許可される場合もありますが、業種や職種によっては厳しい制限に合理性があることもあります。公務員など、民間企業とは異なる法令上の制限がある職種にも注意が必要です。
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まとめ
会社に副業が知られる代表的な経路は住民税ですが、アルバイトでは社会保険、就業規則、労働時間管理の方が直接的な経路になることもあります。
- 住民税の特別徴収額から副収入を疑われる場合がある
- 給与副業の住民税は、給与以外の所得のように普通徴収へ分けにくい
- 業務委託所得は「自分で納付」を選べる場合があるが、絶対に知られない保証にはならない
- 本業と副業の両方で社会保険へ加入すると、二以上事業所勤務の手続きが必要になる
- 年末調整書類の合計所得金額の見積りも確認される可能性がある
- 自社の就業規則は、厚生労働省のモデル就業規則と同じとは限らない
- 20万円以下でも、住民税申告や社内届出が不要とは限らない
副業を安全に続けるには、「知られない方法」を探すのではなく、契約形態と会社のルールを確認し、税・社会保険の手続きを正しく行い、本業へ支障を出さない設計を作ることが大切です。
参考資料
制度の適用条件や申告方法が変わる可能性があるため、実際に手続きするときは以下の一次資料で最新情報を確認してください。
