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副業の単価交渉のやり方|希望額の決め方・例文・断られたときの対応

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最終更新日:2026年9月5日

副業の単価交渉は、今の作業内容と実績を整理し、「希望する金額」「その金額に含める仕事」「変更を始めたい時期」をセットで伝えると進めやすくなります。継続案件なら次回の発注や契約更新に向けて相談し、追加作業の依頼なら、その作業を引き受ける前に料金を確認しましょう。

「1万円を1万1,000円にしてほしい」と伝えるだけでは、相手が何を判断すればよいか分かりません。値上げの理由を示したうえで、予算に合わない場合は作業範囲を調整する。合意できたら、適用する案件まで文章で残す。この順番が基本です。

ただし、報酬が増えても、打ち合わせや修正にかかる時間がそれ以上に増えれば割に合わなくなります。この記事では、ライティング・動画編集・デザイン・SNS運用など、業務委託で受ける副業を想定し、金額の計算から交渉文、条件の確定までを具体化します。アルバイトなど雇用契約で働く場合の昇給相談とは、扱いが異なります。

副業の単価交渉は、この5つを決めてから伝える

交渉前に決めるのは、現状、希望額、根拠、代替案、適用時期の5つです。長い提案書を用意するより、担当者が金額と条件を確認できる短いメモにまとめましょう。

  1. 現在の単価と、連絡・修正まで含めた作業時間を確認する。
  2. 継続できる最低額を計算し、相手に提示する希望額を決める。
  3. 担当範囲の変化や納品実績など、確認できる根拠を用意する。
  4. 予算を変えられない場合に、減らせる作業を考える。
  5. どの発注分から変えたいかを示し、メールやチャットで相談する。

最初の連絡は、「次回のご発注分から、現在の制作範囲で1本12,000円(税込)への見直しをご相談できますでしょうか」のように、相談内容を先に書けば十分です。その後に理由と対象範囲を続けます。具体的な文面は後半に載せています。

まだ現在の報酬が安いのか判断できていない場合は、先に副業案件の単価が安いか判断する方法で、実質時給と修正負担を確認してください。

相談する時期は、次の発注前か、追加作業を受ける前

継続案件の料金を変えたいなら、相手が次回の予算や発注内容を決める前に相談します。社内確認が必要な取引先では、担当者が返事をするまでにも時間がかかるためです。

「何か月続けたら交渉できるか」より、次の条件を相談できる時期かどうかで判断しましょう。新規案件の見積もりや、当初の依頼に含まれていなかった作業の料金確認なら、実績が貯まるまで待つ必要はありません。

場面相談する時期伝える内容
初めて受ける案件仕事内容が分かり、契約を決める前この範囲ならいくらで対応するか
継続案件の値上げ次回発注や更新の条件が固まる前これまでの実績、希望額、適用開始日
入稿・会議・別案作成などの追加追加分に着手する前当初の範囲との違い、追加料金、納期への影響
お試し料金から通常料金への変更お試しの終了時期・本数を決める段階お試しの対象と、終了後に改めて合意する条件

次回分を相談するときは、「いつまでに条件を決めれば、次回の発注に間に合いますか」と聞くと、相手の予定に合わせられます。今月の納品直前に、受注済みの仕事へ新料金を適用すると一方的に伝えるのは避けてください。

希望額は「何%上げるか」より、続けられる金額から決める

希望額は、手数料を引いた後に残る金額と、仕事全体にかかる時間から逆算します。その金額で発注してもらえるかは、同条件の募集や、自分が提供できる内容と照らし合わせて考えます。

以下の金額は説明用の試算です。契約額は税込、実質時給はシステム利用料などの業務費用を差し引き、所得税等の納税前で計算します。銀行への実際の振込額や、税務上の所得を示すものではありません。

制作だけでなく、連絡や修正の時間も記録する

執筆や編集に3時間かかっていても、調査・連絡・修正を合わせて6時間なら、6時間で採算を計算します。制作画面を開いている時間だけを数えると、希望額を低く見積もってしまいます。

記事制作の作業例所要時間の仮定
資料確認・調査1時間
構成・執筆3時間
連絡・打ち合わせ30分
画像選定・入稿1時間
修正・納品確認30分
合計6時間

同じ種類の仕事を数件記録すると、見積もりと実際の差が分かります。初回だけ必要なマニュアル確認は、毎回発生する作業と分けてください。今後の継続単価を考える際に、初回の負担を毎回かかるものとして計算しないためです。案件全体の採算を確認するときには、応募や初回準備の時間も含めます。

時給1,500円を確保したいなら、6時間の仕事はいくら必要か

クラウドワークスの公式案内では、報酬額の10万円以下の部分にかかるシステム利用料は20%で、利用料には消費税が加わります。公式の計算例に従うと、この範囲では税込契約額の22%相当が利用料となり、差引後は78%です。出典:クラウドワークス「ワーカーシステム利用料」

この条件で、6時間の仕事から9,000円を残したい場合は、次のように逆算します。

必要な税込契約額=(目標時給×総作業時間+その他の業務費用)÷(1-手数料率)

その他の業務費用を0円と仮定すると、1,500円×6時間÷0.78=約11,539円です。端数を整理して12,000円を希望額にすれば、差引後9,360円、実質時給は1,560円になります。

税込契約額利用料差引後6時間で完了した場合の実質時給
10,000円7,800円1,300円
11,000円8,580円1,430円
12,000円9,360円1,560円

1万円から10%上げても、6時間かかるままなら、目標の時給1,500円には届きません。「まずは10%」と値上げ幅だけを決めず、必要額を確認してから提案しましょう。

ここでは10万円以下の範囲に収まる契約を想定し、振込手数料・素材代などは省略しています。段階制の手数料が適用される契約や別サービスでは、実際の料率で計算し直してください。端数処理によって表示額に差が出るため、契約画面の受取額も確認します。

なお、この計算で分かるのは「自分が続けるために必要な額」です。相手が支払うべき市場価格だと証明できるわけではありません。類似案件を比べる際も、文字数や動画の完成尺だけを合わせず、調査、素材の支給、修正、入稿、納期まで確認してください。

10%の値上げが、追加36分で相殺されることもある

単価交渉の結果は、報酬の増加と一緒に、追加される作業時間まで確認して判断します。値上げに応じてもらったお礼として仕事を引き受け続けると、交渉前より実質時給が下がる場合があります。

税込1万円、6時間の案件を、税込1万1,000円へ値上げする例で計算します。利用料差引後の増額は780円、値上げ前の実質時給は1,300円でした。

元の実質時給を維持できる追加時間=差引後の増額÷値上げ前の実質時給

780円÷1,300円=0.6時間。追加で36分働くと、値上げの効果はちょうど相殺されます。

値上げ後の条件合計時間実質時給
作業の追加なし6時間1,430円
確認・修正が36分増加6時間36分1,300円
打ち合わせなどが45分増加6時間45分約1,271円

この例なら、45分の会議を毎回追加すると、値上げ前の時給1,300円を下回ります。会議が月1回、納品が月4本なら、会議時間を4本へ配分する必要があります。増額と追加時間は、必ず同じ期間・本数で比べてください。

素材代なども増える場合は、その増加分を780円から引いて計算します。これは「追加36分まで無料対応してよい」という基準ではありません。元の時給より改善したいなら、追加時間をさらに抑えるか、料金を上げる必要があります。

値上げの理由は、相手が確認できる事実で伝える

「スキルが上がりました」だけでは、担当者が社内で説明しにくいものです。実際に任されている範囲や、相手の確認負担がどう変わったかを示すと、金額を検討する材料になります。

交渉の根拠には、自分の努力量より、納品物・対応記録・合意済みの作業範囲を使いましょう。売上や検索順位のように、ほかの要因も影響する数字は、自分一人の成果と断定しないでください。

副業確認しておきたい実績・変化料金と一緒に決める範囲
Webライター構成から担当した本数、一次情報の確認、入稿対応執筆・画像選定・入稿をどこまで含むか
動画編集編集した本数、素材整理、字幕・音声処理の追加素材尺、完成尺、字幕量、修正範囲
デザイン制作点数、展開サイズ数、提案が採用された記録初稿の案数、サイズ展開、元データの納品
SNS運用投稿制作、承認の進行管理、月次報告の担当範囲投稿数、会議、コメント・DM対応の有無

費用の上昇も相談理由になります。ただし、ソフトの月額料金を複数の取引先の仕事で使っているなら、1社へ全額を転嫁するような説明は不正確です。その案件に関係する負担を整理し、価格改定の理由として伝えてください。

実績を見せる資料が足りない場合は、副業ポートフォリオの作り方も参考になります。公開許可のない成果物や、取引先の社内情報を交渉材料として他社へ見せるのは避けましょう。

確認時間の短縮は、値上げ額と並べて説明できる

相手の確認時間を減らせたなら、その時間と希望する値上げ額を並べると、費用に見合うか検討してもらえます。ただし、短縮時間は担当者に確認するか、測定条件を共有できる記録を使います。

たとえば、毎回の確認が45分から15分へ減り、1本あたり30分を短縮できたと仮定します。希望する値上げが1,000円なら、「1,000円÷0.5時間=1時間あたり2,000円」が比較の目安です。

相手が担当者の時間を1時間2,000円以上の価値で見積もるなら、確認負担の軽減だけでも値上げを検討する理由になり得ます。給与を勝手に推測したり、「必ず1,000円以上の経費削減になります」と言い切ったりする必要はありません。確認時間が減っても、人件費の支出がそのまま減るとは限らないためです。

予算に合わせるときは、金額と作業範囲の違う案を出す

予算が合わないときは、同じ仕事を安く引き受ける前に、依頼範囲を変えた案を提示します。相手が必要としている仕事を残し、社内で対応できる作業を戻せないか相談しましょう。

先ほどの6時間の制作を基にすると、次のような提案が考えられます。時間は受注者側の見積もりであり、実際にその時間で終えられるかは作業記録で確かめます。

提案税込料金対応範囲の例想定時間・実質時給
現在の範囲で継続12,000円構成・執筆・画像選定・入稿、合意範囲の修正6時間・1,560円
予算を維持して範囲を縮小10,000円画像選定・入稿は依頼者側で対応5時間・1,560円
必要な制作を追加15,000円現在の範囲に、合意した仕様の簡単な図解2点を追加7時間30分・1,560円

利用料を22%相当、その他の費用を0円と置くと、3案とも実質時給は1,560円です。受注者が無理なく対応できる条件を保ちながら、相手は予算と必要な作業で選べます。図解が不要な相手へ、3つ目の案まで出す必要はありません。

納期を延ばす、本数を増やしてもらう、といった条件変更にも交渉の余地はあります。ただ、納期が延びても総作業時間は同じなら、それだけで実質時給が上がるわけではありません。本数を増やす場合も、まとめて調査できるなど、実際に時間を減らせる条件か確かめてください。

そのまま使える単価交渉の例文

交渉文には、希望額、対象の仕事、変更時期を明記し、実績は確認できるものだけを書きます。以下は架空の条件による例文です。【 】の部分と金額を、自分の契約に合わせて置き換えてください。

継続案件の単価を見直したいとき

継続案件では、これまでの担当範囲を示してから、次回分の料金を相談します。

件名:次回ご発注分の制作料金についてのご相談

いつもご依頼いただき、ありがとうございます。
【適用希望日】以降のご発注分について、1本あたりの料金を10,000円(税込)から12,000円(税込)へ見直せないか、ご相談です。

直近【期間】では【本数】本を納品し、【一次情報の確認、構成作成、WordPress入稿など、実際に担当した内容】まで対応してきました。現在の制作範囲と必要な確認工程を踏まえ、今後の料金をご検討いただけますと幸いです。

12,000円には【文字数・作業範囲・修正条件】を含める想定です。ご予算の変更が難しい場合は、【画像選定・入稿など】を御社でご対応いただく形で、10,000円を維持する案もございます。

次回のご発注予定に合わせて調整したいため、【回答希望日】を目安に、ご検討状況をお知らせいただけますでしょうか。確認にお時間が必要な場合は、その旨をご連絡ください。

「できなければ現状のままで構いません」と先回りして付け足すと、自分の継続条件が伝わりません。金額を維持できる場合は、例文のように作業範囲も一緒に示します。

契約に含まれていない作業を頼まれたとき

追加作業は、当初の依頼との違いを確認し、料金と納期に合意してから着手します。

追加のご相談、ありがとうございます。
今回ご希望の【WordPressへの入稿】は、当初のお見積もりでは対応範囲に含めていなかったため、追加料金2,000円(税込)での対応をご提案します。

追加料金に含むのは【本文の入稿、指定画像3点の配置、表示確認】です。【画像の新規制作・文章の追加執筆】は含みません。

【必要な素材】を【受領期限】にいただき、【確認日】に条件をご承認いただける場合、納品予定日は【納品日】となります。こちらの条件で進めてよいか、ご確認をお願いいたします。

自分の誤記や、合意した仕様を満たしていない箇所の修正は、追加の依頼と分けて扱います。修正を求められるたびに、機械的に追加料金を請求する形にはしないでください。

新規案件で提示された金額が合わないとき

新規案件では、「提示額では難しい」と伝えるだけでなく、受けられる金額と範囲を返します。

ご相談いただき、ありがとうございます。ご依頼内容を拝見しました。
【調査・構成・執筆・入稿】まで対応する場合、1本12,000円(税込)でお受けできます。

ご提示の10,000円(税込)であれば、【画像選定・入稿】を除いた範囲で対応可能です。どちらの進め方がご希望に近いか、お知らせいただけますでしょうか。

納品物は【内容・数量】、初稿は【日付】、修正は【対象・回数】を想定しています。

予算を理由に断られ、範囲を調整したいとき

断られた後は、相手の事情を確認し、条件を変えて成立するかを相談します。

ご検討いただき、ありがとうございます。次回も1本10,000円(税込)のご予算とのこと、承知しました。

その金額で継続する場合、【適用日】以降のご発注分は【構成・執筆・合意範囲の修正】までとし、【画像選定・入稿】を御社でご対応いただく形はいかがでしょうか。

現在と同じ範囲をご希望の場合は、12,000円(税込)での対応をお願いしたいと考えています。今回のご予算で必要な作業を改めて確認できますと幸いです。

クラウドソーシングやエージェント経由の案件では、決められた連絡・契約手順で相談してください。メッセージで合意しただけで終わらせず、契約画面や発注内容にも金額と条件を反映します。

断られたら、理由を確認して継続条件を決める

単価交渉を断られても、すぐに値下げしたり、取引を終えたりする必要はありません。予算、時期、求められる品質のどこが合わなかったかを確認すると、次の対応を選べます。

相手の返答次に確認・提案すること
予算を増やせない画像選定・会議・入稿など、依頼者側へ戻せる作業があるか
今期は難しい次に予算を見直す時期と、それまでの条件
その金額に見合うか判断できない足りないと感じる点と、再検討するときの確認材料
値上げするなら仕事も増やしたい追加時間と料金を計算し直し、新しい範囲を見積もる

「もう少し実績ができたら」と言われた場合は、何を確認できれば再検討するのか聞いてください。相手の要望に合わせて、次の数本の納品後など、見直す機会を決めておく方法があります。ただし、本数や期間を満たせば値上げされると合意していない限り、昇給の約束にはなりません。

金額も範囲も変えられず、続ける負担が大きいなら、新規受注を減らすことも選択肢です。終了する場合は契約の解除・更新条件を確認し、受注済みの仕事や引き継ぎについて相談します。交渉のために、実際にはない他社の高額オファーを持ち出すのはやめましょう。

取引先を替えるなら、応募や準備の負担を何か月で回収できるか

新しい案件へ移るか迷ったら、単価差に加え、応募・面談・初回準備の時間を回収できるかを計算します。少し高い案件でも、毎回の作業が増えれば、切り替える利点は小さくなります。

現在は1本10,000円を月4本、新しい案件は1本12,000円を月4本受けられると仮定します。どちらも税込で、利用料差引後は78%。月の差引額は31,200円から37,440円へ増え、差は6,240円です。

応募・面談・新しいマニュアルの確認に合計8時間かかり、自分の時間を現在の実質時給1,300円で見積もると、初期負担は10,400円相当になります。

新しい案件の作業時間追加時間の負担も考慮した月の改善額初期負担の回収目安
現在と同じ1本6時間6,240円10,400円÷6,240円=約1.7か月
1本7時間に増える6,240円-4時間×1,300円=1,040円10,400円÷1,040円=10か月

これは時間を金額に換算した比較で、実際に10,400円を支払うという意味ではありません。毎月4本を継続受注でき、仕事の空白期間がなく、ほかの費用も変わらないという条件です。初回準備の8時間には、表の毎月の追加作業を含めていません。

たとえば3か月で終了する案件なら、回収に10か月かかる条件では、時間を金額換算した初期負担を取り戻せません。今の取引先へ範囲の調整を再提案するか、別の候補を探す判断につながります。新しい仕事で得られる経験を重視する場合も、金額上の負担を把握してから選びましょう。

応募先の広げ方は、クラウドソーシングの低単価案件から抜け出す方法にまとめています。

合意できたら、料金と対応範囲を同じ記録に残す

「では、その金額でお願いします」と言われたら、どの案への返事なのかを確認します。税込・税抜の違いや、修正回数の認識がずれたまま始めると、値上げ後も話がこじれます。

新しい料金、対象案件、作業範囲、修正条件、納期・支払日を一緒に残し、双方の認識をそろえてから進めましょう。下表は交渉後の実務確認用であり、法令上の明示事項をすべて列挙したものではありません。

確認項目書き方の例
料金と単位記事1本12,000円(税込)。サービス利用料を差し引く前の契約額
適用する案件【日付】以降の新規発注分。受注済みの【案件名】は対象外
納品物と範囲【文字数の範囲】、構成、本文、指定条件の画像選定、WordPress下書き入稿
修正合意した方向性の範囲で、依頼者の要望による修正を1回。新たな構成への変更は別見積もり。受注者の不備の修補は区別する
納期と確認素材の受領日、初稿日、最終納品日、検査をする場合の完了日を決める
連絡・会議確認可能な曜日・時間帯、通常の返信期限、定例会議の回数・長さを決める
追加依頼追加分の内容・金額・納期を確認し、合意してから着手する
支払い具体的な支払日、支払方法、源泉徴収の扱いなどを確認する

「修正1回」だけでは、1回分に何件の指摘が入るか分かりません。「合意済みの構成・文字数の範囲で、修正指示をまとめて1回」といった対象範囲まで決めてください。元の契約に別の定めがある場合は、その内容との関係も整理します。

副業では、返信時間も料金に関わる条件です。本業中に対応できないなら、その時間を先に伝えます。「日中も即返信できます」と無理に約束するより、確認する時間帯と返信期限を具体化したほうが、お互いに予定を立てられます。

契約書全体の確認は副業の業務委託契約書で確認すべき12項目、見積もりや請求への反映は副業の見積書・請求書の作り方も参照してください。

未払いや一方的な減額は、次回の値上げ交渉と分けて対応する

約束した報酬の未払いや、受注後の一方的な減額が起きているなら、まず元の合意と取引記録を確認します。「次回の単価を上げてもらう代わりに今回の未払いを受け入れる」といった交渉で、問題を曖昧にしないでください。

フリーランス法では、対象となる業務委託について、発注時に書面やメールなどで取引条件を明示する義務があります。また、一定の発注者が1か月以上の業務を委託する場合、受注者に責任がないのに報酬を減らすことや、不当な無償の変更・やり直しなどが禁止されます。義務の範囲は発注者の属性や委託期間で異なります。出典:公正取引委員会「フリーランス法特設サイト」

次回の希望単価を断られたことと、すでに決めた報酬を減らされたことは別の問題です。公正取引委員会のQ&Aでも、既存の発注に新しい低い算定方法を適用する場合と、将来の発注に向けて算定方法を変える場合を区別しています。後者も条件によっては買いたたきの問題が生じ得ます。出典:公正取引委員会「フリーランス法Q&A」問75

問題が解決しない場合は、発注内容、金額、納品記録、修正依頼、請求・入金の記録をそろえて、フリーランス・トラブル110番などの相談先を利用してください。制度の対象を確認したい人向けに、フリーランス法は会社員の副業にも関係する?でも整理しています。

単価交渉で迷いやすいこと

単価交渉では、誰にでも通用する値上げ率や成功率より、自分の仕事の条件を判断材料にします。

値上げしてもらうには、仕事を増やす必要がありますか?

仕事の追加は必須ではありません。現在の担当範囲、品質、必要経費、同条件の相場を踏まえ、同じ範囲での価格改定を相談できます。相手が追加の仕事を希望するなら、その分を改めて見積もってください。

単価交渉をする人は多いのでしょうか?

サーキュレーションが2025年3月に公表した「プロ人材実態調査」では、副業区分の回答者の73.5%に価格交渉の経験がありました。調査全体の有効回答数は500人で、直近1年以内に特定領域の業務を受けた経験者が対象です。出典:サーキュレーション「プロ人材実態調査」公表資料

73.5%は、交渉が成功した割合でも、副業初心者全体の交渉経験率でもありません。公表資料の本文には副業区分だけの回答者数が示されていないため、500人の73.5%として人数を計算するのも不適切です。交渉が実際に行われているという参考にとどめ、自分の成功確率として使わないでください。

スクールで学んでから交渉したほうがよいですか?

単価交渉のためだけに、先にスクールへ通う必要はありません。まず現在の担当範囲と実績を整理します。希望額に必要な技術が足りず、追加で受けたい仕事も明確になった段階で、その技術を独学や講座で補うか検討しましょう。受講料を払ったこと自体は、発注者が値上げに応じる理由にはなりません。

まず1件、希望額と次回の条件を書き出す

最初に取り組むのは、交渉したい1件について「現在の総作業時間」「希望額」「予算を維持する場合に減らす作業」を書くことです。その3点が決まったら、次回の発注予定を確認し、例文を使って相談できます。

合意後も、最初の数件は連絡や修正を含めた時間を記録してください。予定より仕事が増えていたら、追加料金や範囲を見直します。報酬と負担の両方に納得して続けられる条件を、取引先と決めていきましょう。

関連ページ

交渉額を決める段階、実績を示す段階、条件を確定する段階に合わせて、必要なページを確認してください。

計算条件と参考資料

本記事の料金・作業時間・回収期間は、条件を明示した独自試算であり、相場や交渉成果の実測値ではありません。例文の実績欄には、自分が確認できる事実だけを入れてください。

公式情報の確認日は2026年9月5日です。手数料を用いた試算は、税込契約額に22%相当の利用料がかかる範囲を想定しています。振込手数料、素材代などの費用、源泉徴収、納税の影響は省略しています。源泉徴収がある場合の振込額と、本記事で計算した利用料差引後の金額は一致しません。契約前には公式の料金・条件を確認してください。