副業

副業案件の単価が安いか判断する方法|実質時給・修正・手数料まで計算

PRが含まれています

最終更新日:2026年9月3日

副業案件の単価が安いかどうかは、募集画面の「1件○円」だけでは決まりません。手数料と経費を引いた利益を、営業・打ち合わせ・修正・入金確認まで含む総時間で割り、さらに「想定より時間が延びた場合」でも自分の下限時給を守れるかで判断します。

同じ1万円の案件でも、2時間で完了し、修正がない仕事なら条件は悪くありません。反対に、制作3時間に加えて、応募、会議、修正、連絡で3時間かかれば評価は変わります。「相場より高いのに割に合わない案件」と「相場より安くても短時間で終わる案件」は、どちらも存在します。

最初に確認する数字計算・確認方法判定への使い方
案件粗利益手数料差引後・源泉徴収前の受取額-案件固有の経費実際に仕事から残る金額を出す
総時間営業+準備+制作+会議+修正+事務請求できない時間も含める
実質時給案件粗利益÷総時間自分の下限時給と比べる
悲観時給案件粗利益÷時間が最も延びた場合の総時間修正や確認待ちの影響を調べる
比較相場条件をそろえた募集20件の中央値提示額が市場内のどこにあるかを見る

安い案件とは「自分の下限時給」を割る案件である

職種別の相場より先に、「この金額を下回ったら副業時間を使わない」という下限を決めます。相場は発注者側の予算を示しますが、その金額で自分の収入目標を達成できるとは限らないからです。

下限時給は、次の2つのうち高いほうを採用すると決めやすくなります。

  • 代替時給:アルバイト、残業、現在の別案件など、同じ時間で得られる金額
  • 目標時給:副業の月間利益目標÷実際に使える月間時間

判定用の下限時給=代替時給と目標時給の高いほう

月3万円を目標にしており、副業へ使える時間が月20時間なら、目標時給は1,500円です。代替できる仕事が時給1,200円なら、判定用の下限は1,500円になります。月20時間には、制作だけでなく案件探しや連絡の時間も含めます。

厚生労働省が公表した令和7年度の地域別最低賃金は、全国加重平均が1,121円です。ただし、業務委託で働くフリーランスには労働関係法令が原則として適用されない場合があります。最低賃金は「雇用された場合に得られる収入との比較線」として使い、業務委託の法的な最低報酬だとは考えないでください。契約名が業務委託でも、勤務の実態から労働者に当たる可能性がある場合は、厚生労働省が労働基準監督署に相談窓口を設けています。

実質時給には応募、会議、修正、入金確認まで含める

固定報酬の案件は、作業時間だけで割ると実質時給を高く見積もります。受注するために使った時間と、納品後に発生する対応も案件原価です。

  • 実質時給=(手数料差引後・源泉徴収前の受取額-案件固有の経費)÷案件に使った総時間
時間の区分記録する作業見落としやすい例
営業案件検索、募集要項の確認、提案、面談不採用になった提案の時間
開始準備契約確認、マニュアル、環境設定、素材整理初回だけ必要なツール設定
制作調査、構成、制作、確認、書き出し素材や一次情報を探す時間
連絡チャット、会議、質問、進捗報告短い連絡が毎日分散する案件
修正差し戻し確認、再制作、再提出発注者側の方針変更による修正
事務請求書、帳簿、振込・入金確認プラットフォームからの出金手続き

クラウドワークスの公式例では、契約金額1万円(税抜)の仕事は税込1万1,000円です。10万円以下の部分に対するシステム利用料とその消費税を差し引くと、ワーカー受取額は8,580円になります。

この案件に経費500円がかかり、応募30分、打ち合わせ30分、制作3時間、修正45分、事務15分を使ったとします。総時間は5時間、案件粗利益は8,080円なので、実質時給は1,616円です。制作時間だけで割った2,693円とは、1,077円の差が生まれます。

サービス受注者側の手数料見積時の扱い
クラウドワークス契約金額(税込)のうち、10万円以下の部分20%、10万円超20万円以下の部分10%、20万円超の部分5%。別途、利用料に消費税公式の受取金額欄で確認する
ランサーズ契約金額(税込)の16.5%金額計算ツールで手取りを確認する
直接契約プラットフォーム手数料はないが、振込、請求、回収を自分で行う事務時間と未回収リスクを記録する

手数料率は2026年9月2日に各社公式ページで確認した内容です。制度が変わる可能性があるため、応募時にも公式の計算画面を確認してください。

源泉徴収の対象となる報酬は、入金時に所得税等が差し引かれる場合があります。しかし、源泉徴収税額はプラットフォーム手数料と性質が異なります。案件の採算では源泉徴収前の報酬を基準にし、資金繰りでは実際の入金額を確認すると、経費と税の前払いを混同せずに済みます。対象となる報酬の範囲は国税庁の案内で確認できます。

不採用分の営業時間は受注件数で割って配分する

受注した案件の提案時間だけを数えると、案件獲得に必要な時間を過小評価します。落選した提案も、受注のために支払った時間だからです。

  • 1件当たりの営業時間=一定期間の案件検索・提案・面談時間÷同じ期間の受注件数

1か月に案件探しと提案へ10時間を使い、2件受注したなら、1件当たりの営業時間は5時間です。受注案件Aへ提案文を書いた30分だけを計上するのではなく、原則として5時間を配分します。2件の規模が大きく違うときは、予想利益や契約期間の比率で分けても構いません。

継続顧客から直接依頼された案件は、新規営業の配分を減らせます。ただし、定例連絡や関係維持に使う時間はゼロになりません。新規案件と継続案件を分けて記録すると、継続依頼が収益をどれだけ改善したか見えるようになります。

相場は「同じ成果物・範囲・期限」の募集20件で測る

「動画編集は1本○円」「ライティングは1文字○円」といった広い相場表だけでは、目の前の案件が安いか判定できません。完成尺、素材、作業範囲、修正、著作権、納期が違えば、同じ職種でも必要時間が変わります。

応募を検討する案件と条件が近い募集を20件集め、表示金額の中央値を出します。平均値は、数件の高額案件に引っ張られやすいため、中央に位置する金額を示す中央値のほうが比較に向きます。

そろえる条件ライティングの例動画編集の例
納品物3,000字の記事1本完成尺10分の動画1本
支給物構成・資料の支給有無台本・素材・指示書の有無
作業範囲構成、執筆、画像、入稿カット、字幕、BGM、サムネイル
修正回数と修正理由回数と修正可能な尺
利用範囲記名、二次利用、著作権広告利用、素材の保存期間
期限・拘束納期、会議、即時返信初稿日、定例会、緊急修正

20件を金額順に並べ、下位25%、中央値、上位25%の境界も記録します。提示額が下位25%より低く、自分の下限時給も割るなら、低単価と判断しやすくなります。相場内でも下限時給を割る仕事は、自分にとって安い案件です。反対に、金額が中央値より低くても、支給物がそろっており短時間で終わるなら、実質時給では合格する場合があります。

募集画面の金額は、成約した価格ではなく発注者の予算であることが多いため、絶対的な相場にはなりません。条件をそろえた比較材料として使い、最後は自分の実測時間で補正してください。

作業時間は1本の予想ではなく3通りで見積もる

採算を崩すのは、普段どおり終わった場合の時給より、修正や素材不足で時間が延びた場合の時給です。「最短・通常・最長」の3通りを出すと、見積もりの楽観を減らせます。

  • 最短時間:素材がそろい、確認と修正がほぼない場合
  • 通常時間:過去の似た案件と同程度に進んだ場合
  • 最長時間:確認待ち、素材不足、契約内の修正がすべて発生した場合

データが少ない段階では、次の3点見積もりを使えます。

  • 予想時間=(最短時間+通常時間×4+最長時間)÷6

最短3時間、通常4時間、最長8時間なら、予想時間は4.5時間です。案件粗利益が7,200円なら、予想実質時給は1,600円、最長時の悲観時給は900円になります。下限時給が1,500円なら、通常進行では合格しても、修正が重なると赤字感が強い案件です。

この場合は単純な値上げだけでなく、「修正は2回まで」「構成確定後の方針変更は追加料金」「素材の不足日は納期を延長」と条件を変える方法があります。時間の上限を作れば、発注者も総額を把握しやすくなります。

30分の夜会議が副業時間を1晩分ふさぐこともある

副業では、会議の長さだけでなく、自由に使えなくなった時間帯の大きさを測ります。本業後の3時間に集中して作業する人にとって、20時からの30分会議は、前後の作業を分断するからです。

  • 時間枠ベースの時給=案件粗利益÷案件のために使えなくなった副業時間

案件粗利益8,000円、純粋な作業4時間なら、通常の実質時給は2,000円です。しかし、30分の会議が別々の夜に2回入り、各日3時間の作業枠をほかの案件へ使えなかったなら、占有した時間枠は6時間です。時間枠ベースでは約1,333円まで下がります。

会議前後にも問題なく作業できる人は、6時間を計上する必要はありません。自分の生活で本当に失った時間だけを記録します。会議を同じ日にまとめる、進捗報告をチャットへ変える、定例会込みの月額を提示すると、拘束による損失を減らせます。

「継続あり」は最低発注数が決まるまでゼロ件として計算する

募集文に「継続あり」と書かれていても、次回発注の数量、時期、単価が合意されていなければ、初回案件だけで採算を判定します。将来の依頼で初期設定時間を回収する計算は、継続が止まった瞬間に崩れます。

案件粗利益が1回6,000円、初回設定2時間、各回の制作1.5時間だとします。初回だけなら3.5時間かかるため、実質時給は約1,714円です。2回目以降は設定が不要なので、実質時給は4,000円になります。

3回の発注が契約で決まっていれば、合計利益1万8,000円を合計6.5時間で割り、約2,769円と評価できます。「審査後に継続を検討」「実績により依頼あり」だけなら、1回分の約1,714円で判断します。

継続を根拠に低い初回価格を受けるなら、初回を有料テストとして範囲を小さくし、2回目の単価と見直し日を契約前に確認してください。

実績や学習を理由に値引きするなら「投資枠」を設ける

金銭以外の価値は、公開許可、見直し時期、再利用できる成果のどれかを確認できたときだけ単価差へ算入します。「経験になる」「有名企業の仕事」といった説明だけでは、失った時間を回収できません。

期待する価値受注前に確認する証拠確認できない場合
実績になる社名、成果物、担当範囲をポートフォリオへ掲載できるか書面で確認非公開案件として採算だけで判定
継続で上がる最低発注数、2回目以降の金額、見直し日初回のみで計算
スキルが身につく習得する工程と、次の案件で使える成果を特定通常の作業経験として扱う
紹介につながる紹介条件や過去の紹介実績を確認紹介ゼロとして計算

筆者の提案は、下限時給を割る案件へ使う時間を「月の副業時間の10%まで」などと先に制限する方法です。月20時間なら投資枠は2時間です。10%は公的な基準ではありません。生活費と収入の余裕に合わせ、自分で0~20%の範囲から決める管理例です。

投資枠を使うなら、無期限の低単価継続へ回さず、1回の有料テストや公開できる制作実績へ集中させます。実績ゼロから応募する手順は「クラウドワークスで最初の1件を取る方法」、掲載できる制作例の作り方は「副業ポートフォリオの作り方」で確認できます。

「受ける・条件を変える・見送る」は2本の時給で決める

予想実質時給と悲観時給の両方を出すと、安いかどうかを3択に落とせます。金額だけが不足している案件と、業務範囲そのものが危険な案件も分けられます。

判定数字の状態取る行動
受ける予想・悲観の両方が下限時給以上。範囲も明確金額、納期、修正、支払日を確定する
条件を変える予想は下限以上だが、悲観では下回る値上げ、範囲削減、修正上限、納期調整を提案する
見送る予想時給が下限未満。範囲不明、無制限修正などもある追加情報が出ない限り契約しない

金額を上げてもらう伝え方

値上げの根拠は「相場だから」だけで終わらせず、依頼範囲と必要工数へ結びつけます。

ご提示ありがとうございます。構成作成、一次情報の確認、WordPress入稿、修正2回までを含めると、全体で約6時間を見込んでいます。こちらの範囲では、税込1万5,000円であれば対応可能です。ご予算を変えにくい場合は、構成をご支給いただき、入稿を対象外とする形でも調整できます。

予算を変えられない相手には範囲を減らす

報酬を上げられない場合は、同じ金額で作業量を減らせば実質時給を守れます。

税込8,000円のご予算に合わせる場合は、支給構成をもとにした本文作成と修正1回まで対応できます。画像選定とWordPress入稿を含める場合は、税込1万2,000円でお見積もりします。

見送るときは長い説明を加えない

条件が合わない案件は、希望条件だけを残して短く断ると、別案件の相談につながる余地を保てます。

ご相談いただき、ありがとうございます。確認した業務範囲と納期では、今回はご提示額での対応が難しいため、見送らせてください。今後、同じ範囲で税込1万5,000円以上の案件がありましたら、改めてご相談いただければ幸いです。

契約金額、修正、税、支払日を合意する方法は「副業の見積書・請求書の作り方」にまとめています。

低い報酬だけで違法とは決まらないが、買いたたきや無償修正は別に確認する

自分の実質時給が低いことと、発注者の行為が法律に違反することは分けて判断します。安い提示を双方が合意したという事実だけで、直ちに違法になるとは限りません。

一方、フリーランス法では、発注事業者の要件や委託期間など所定の条件を満たす取引について、通常支払われる対価に比べて著しく低い報酬を不当に定める「買いたたき」が禁止されています。フリーランスに責任がないのに報酬を減額したり、給付内容を変えて無償でやり直させたりする行為も禁止対象になり得ます。

次の条件がある案件は、単価計算の前に契約内容を確認してください。

  • 報酬額、仕事内容、納期、支払日が書面やメッセージに残らない
  • 「納得するまで」など、修正の回数と範囲に上限がない
  • 契約後に作業を追加しても、報酬を変えない
  • 発注者都合のキャンセルでも、着手分が支払われない
  • 長時間のテスト制作を無償で求める
  • 仕事を始める条件として、教材や機器の購入、登録料の支払いを求める
  • プラットフォームの仮払い前に納品を求める

副業の会社員も、条件を満たせばフリーランス法の対象になり得ます。対象取引、支払期日、禁止行為は「フリーランス法は会社員の副業にも関係する?」で整理しています。

応募前10分の判定表を埋めれば、感覚で受注しなくなる

募集を見つけたら、受取額、3通りの時間、下限時給の順に埋め、最後に相場と非金銭価値を確認します。情報が足りない欄は、契約前の質問項目です。

記入欄入力例判定
契約金額税込11,000円税抜・税込を統一
手数料後の受取額8,580円公式計算画面で確認
案件固有の経費500円素材、交通、専用ツールなど
案件粗利益8,080円受取額-経費
最短・通常・最長時間3時間・4時間・8時間修正と連絡を含める
予想時間4.5時間(3+4×4+8)÷6
予想実質時給約1,796円8,080円÷4.5時間
悲観時給1,010円8,080円÷8時間
自分の下限時給1,500円予想は合格、悲観は不合格
条件が近い20件の中央値税込13,000円仮の例。実際の募集から集計
公開・継続の確約掲載不可・最低発注数なし非金銭価値は加算しない
最終判断条件を変える修正上限または増額を相談

上の金額は計算方法を示す仮例です。表を複製し、応募時の予想と完了後の実績を1行ずつ残してください。3~5件たまると、自分が「4時間で終わる」と見積もった仕事に実際は何時間かかるか分かり、次の見積もり精度が上がります。

低単価案件から抜け出すための応募先と提案文の見直しは「クラウドソーシングは稼げない?低単価案件から抜け出す方法」も参考にしてください。

副業案件の単価についてよくある疑問

単価の形式や経験年数だけで決めず、依頼範囲を時間へ直してから判定します。

Webライティングの文字単価1円は安いですか

文字単価だけでは判定できません。3,000字で3,000円でも、構成と資料が支給され、執筆から確認まで2時間なら時給は1,500円です。構成、取材、画像、入稿、修正まで6時間かかれば500円になります。文字数に表れない作業を先に数えてください。

初心者は低単価でも受けたほうがよいですか

初心者であることだけを理由に、下限のない値下げを受ける必要はありません。公開できる実績が必要なら、作業範囲の小さい有料テストを1件受け、完了後に時間を測ります。下限時給を割る場合は、次回から範囲または金額を変えます。

AIで速く作業できれば、安い案件でも問題ありませんか

AI利用後の実測時間で下限時給を超え、発注者の利用規約と機密保持に反しないなら、採算面では候補にできます。ただし、事実確認、著作権、個人情報、納品物の最終責任は残ります。短縮できる時間だけを先に見込まず、最初の数件は実測してください。

源泉徴収後の入金額で実質時給を出しますか

案件同士の採算比較は源泉徴収前、当月の資金繰りは源泉徴収後の入金額で確認します。源泉徴収の有無だけで利益率が違うように見せないためです。請求書と確定申告での扱いは「副業で源泉徴収されたらどうする?」で確認できます。

受注前の10分計算が、低単価案件で埋まる時間を減らす

次に応募する案件から、予想実質時給と悲観時給を1つずつ記録し、どちらかが下限を割ったら、金額か範囲を変更してください。「継続あり」「実績になる」は、数量や公開許可を確認できるまで計算へ入れません。

単価を上げるだけでは、曖昧な修正や分散した会議の問題は残ります。利益、総時間、時間の振れ幅、拘束する時間帯を分けて測ると、値上げが必要なのか、範囲を削るべきなのか、案件自体を見送るべきなのかが決まります。完了後の実測を3~5件ためれば、一般的な相場表より、自分に合った単価表を作れます。

参照した一次情報

制度や手数料は変更されるため、応募・契約時には各公式ページの最新情報を確認してください。