副業の経費はどこまで認められる?家賃・通信費・PC・会計ソフトを具体例で解説
最終更新日:2026年8月24日
副業を自宅で行っていると、「家賃やスマホ代も経費にできるのか」「仕事用に買ったPCは全額を差し引けるのか」と迷うことがあります。経費の範囲を狭く考えすぎれば税金を多く納めることになり、反対に私生活の支出まで入れれば、申告内容を説明できなくなるおそれがあります。
国税庁は、家事上の費用は必要経費にならない一方、家事と業務の両方に関係する費用は、取引記録などに基づいて業務上直接必要な部分を明確に区分できれば、その部分を必要経費にできると案内しています。
副業の経費には「家賃は一律30%まで」のような共通上限はなく、収入との関係、業務使用割合、証拠、計上時期を支出ごとに判断します。
この記事では、業務委託、ブログ、動画編集、Web制作、コンテンツ販売などによる副業を想定し、家賃・通信費・PC・会計ソフトの考え方を具体的な金額で解説します。
※本記事は2026年8月24日時点の制度を基にした一般的な解説です。契約内容、所得区分、消費税の経理方式などにより処理が変わる場合があります。判断が難しい支出は、税務署または税理士へ確認してください。
副業の経費は「4つの質問」で判断する

品名だけで経費かどうかを決めず、①収入の種類、②収入との関係、③私用部分、④資産・期間の順に確認するのが安全です。
| 確認する順番 | 質問 | 判断のポイント |
|---|---|---|
| 1 | 副業収入は何所得か | 業務委託などの事業所得・雑所得か、雇用契約による給与所得かを確認する |
| 2 | 売上を得るために必要か | 「この支出がどの仕事や売上に必要だったか」を具体的に説明できるか確認する |
| 3 | 私生活でも使っていないか | 兼用なら、床面積、使用時間、通信記録、走行距離などで業務分だけを分ける |
| 4 | 支払年に全額を計上できるか | 高額なPC、複数年契約、前払い費用などは、減価償却や利用期間を確認する |
判断に迷ったときは、領収書があるかどうかより先に、「第三者へ仕事との関係を説明できるか」を考えます。領収書は支払った事実の証拠ですが、それだけで私用の支出が経費へ変わるわけではありません。
副業の経費とは売上から差し引く「必要経費」
業務に係る副業の所得は、基本的に「総収入金額-必要経費」で計算します。
例えば、Webライターの年間売上が60万円、クラウドソーシング手数料、通信費、資料代などの必要経費が18万円なら、副業所得は42万円です。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 年間の売上 | 600,000円 |
| 必要経費 | 180,000円 |
| 副業所得 | 420,000円 |
経費は、支払額がそのまま返ってくる制度ではありません。仮に所得税と住民税への影響を合計20%として単純計算すると、12万円の経費による税負担の減少額は約2万4,000円です。実際の金額は本業の給与、所得控除、税率などで変わります。
副業アルバイトの支出は同じように差し引けない
雇用契約を結んで給与を受け取る副業では、原則として個別の支出を事業の必要経費として売上から差し引く計算はしません。
給与所得には給与所得控除があり、一定の通勤費、研修費、資格取得費などについては、厳しい要件を満たす場合に「給与所得者の特定支出控除」を検討します。業務委託報酬とアルバイト給与を同じ方法で記帳しないようにしてください。
雑所得でも必要経費は差し引ける
開業届を出していない副業や雑所得であっても、収入を得るために直接必要な支出まで一律に経費にできなくなるわけではありません。
ただし、雑所得では青色申告特別控除や少額減価償却資産の特例を利用できず、雑所得の赤字を給与所得と損益通算することもできません。開業届の有無だけで事業所得になるわけでもないため、活動の継続性、営利性、規模、帳簿の保存状況などを含めて判断します。
所得区分と開業届の関係は、副業の開業届は出すべき?出さない場合との違いを解説で詳しく解説しています。
副業の経費にできるもの一覧
副業専用の支出は経費にしやすく、私生活でも利用する支出は家事按分、高額で長く使うものは資産処理が必要です。
| 費用 | 具体例 | 主な判断 |
|---|---|---|
| 販売手数料 | クラウドソーシング、EC、決済サービスの手数料 | 副業売上に対応する分は経費にしやすい |
| 通信費 | インターネット、スマホ料金、郵送料 | 私用と兼用する回線は業務割合で按分する |
| 地代家賃 | 自宅家賃、事務所、コワーキングスペース | 自宅は床面積や使用状況で按分する |
| 水道光熱費 | 仕事中の電気代、業務設備の電力 | 使用時間や設備を基に合理的に分ける |
| 消耗品・機材 | 文房具、マウス、キーボード、撮影用品 | 取得価額と使用期間により資産処理も確認する |
| ソフト・サービス | 会計ソフト、Adobe、生成AI、クラウドストレージ | 副業で使う範囲と契約期間を確認する |
| 広告宣伝費 | Web広告、名刺、ポートフォリオサイト | 副業の集客目的であることを記録する |
| 新聞図書費・研修費 | 専門書、業務に直結する講座 | 一般的な教養や趣味との区別が必要 |
| 旅費交通費 | 取引先訪問、撮影、展示会、打ち合わせ | 日付、訪問先、目的を残す |
| 外注費 | デザイン、校正、動画編集、事務代行 | 契約、納品物、請求書、支払記録を残す |
| 税理士等への報酬 | 副業部分の記帳・申告相談 | 個人的な相談を含む場合は範囲を分ける |
自宅家賃は仕事で使う部分だけ経費にする
自宅家賃は「在宅で副業をしているから半額」ではなく、仕事で使う面積と利用実態から業務部分を計算します。
家賃9万円、床面積50平方メートルの賃貸住宅で、10平方メートルの部屋を副業専用にしている例を考えます。
業務割合:10平方メートル÷50平方メートル=20%
毎月の必要経費:90,000円×20%=18,000円
年間の必要経費:18,000円×12カ月=216,000円
同じ部屋を寝室としても使い、副業で使う割合を60%と見積もるなら、さらに利用割合を掛けます。
90,000円×(10÷50)×60%=10,800円/月
「平日は毎日2時間働くから、24時間のうち2時間だけ」と機械的に計算する必要はありません。専用スペースとして他の時間も私用に使えない状態なら、床面積を中心に説明できる場合があります。反対に、リビングの一角で時々作業するだけなら、高い割合を設定する根拠は弱くなります。
家賃の按分で残したい証拠
賃貸借契約書だけでなく、間取り図、仕事場所の写真、作業日誌、按分計算表を一組で保存すると説明しやすくなります。
- 賃貸借契約書と毎月の支払記録
- 住宅全体と仕事スペースの面積が分かる間取り図
- 仕事専用の机、機材、棚などが分かる写真
- その場所で行った仕事内容と作業日
- 業務割合の計算式と、割合を変更した日
電気・ガス・水道は家賃と同じ割合にしなくてよい
水道光熱費は、家賃と性質が違うため、同じ20%をそのまま使うのではなく、設備と使用時間に合う根拠で按分します。
PC、照明、エアコンを使う在宅副業なら電気代との関係を説明しやすい一方、Webライターが水道代やガス代を経費にする根拠は一般に弱くなります。電気代は、作業時間、仕事部屋の使用状況、業務用機器の消費電力などから継続して計算します。
持ち家は住宅ローン返済額をそのまま経費にしない
持ち家では住宅ローンの元本返済は必要経費にならず、建物の減価償却費、借入金利息、固定資産税などの業務部分を個別に検討します。
住宅ローン控除を利用している場合は、事業使用割合によって控除へ影響する可能性もあります。持ち家を自宅兼事務所にする場合は、賃貸住宅より処理が複雑になるため、税務署または税理士へ確認してください。
通信費は回線ごとに利用実態を分ける
インターネットとスマホを私用でも使う場合は、契約額全体ではなく、副業に使ったと説明できる部分だけを経費にします。
| 支出 | 月額 | 業務割合 | 毎月の経費 | 割合の根拠例 |
|---|---|---|---|---|
| 自宅インターネット | 5,500円 | 60% | 3,300円 | 仕事日数、接続時間、家族の利用状況 |
| スマホ通信料 | 4,400円 | 30% | 1,320円 | 通話明細、データ使用、業務アプリの利用時間 |
家族全員が使う固定回線と、自分だけが使うスマホでは、同じ割合にならないのが自然です。副業専用のSIMや回線を契約し、私用を行わないなら100%を経費として説明しやすくなります。
なお、スマホ本体、ルーター、タブレットなどの購入費は、毎月の通信料金とは別に、取得価額による資産処理を確認します。分割払いにしても、端末の取得価額が毎月の支払額へ分かれるわけではありません。
PCは価格と申告方法で経費計上が変わる
PCは仕事に必要でも、取得価額によって購入年に全額を経費にできない場合があります。
一般的なパーソナルコンピューターの法定耐用年数は4年です。ただし、取得価額が低い資産や、青色申告をする一定の中小事業者には、通常の減価償却以外の処理があります。
| 取得価額 | 基本的な処理 | 主な選択肢・注意点 |
|---|---|---|
| 10万円未満 | 使用を始めた年に全額を必要経費にできる | 私用兼用なら業務部分だけ。通常1単位ごとに判定する |
| 10万円以上20万円未満 | 通常の減価償却 | 3年間で各年3分の1を経費にする一括償却資産も選べる。要件を満たす青色申告者は少額減価償却資産の特例も検討 |
| 20万円以上40万円未満 | 原則は通常の減価償却 | 2026年4月1日以後の取得分は、青色申告をする一定の中小事業者なら、年間合計300万円まで少額減価償却資産の特例で即時償却できる |
| 40万円以上 | 通常の減価償却 | 一般的なPCは4年。使用開始月と業務割合を反映する |
2026年3月31日までに取得した資産について、少額減価償却資産の特例の上限は30万円未満でした。2026年度税制改正により、2026年4月1日以後の取得分は40万円未満へ引き上げられています。ただし、この特例は青色申告をする一定の中小事業者向けで、白色申告や業務に係る雑所得には使えません。
PCの価格は家事按分する前に判定する
45万円のPCを副業で50%使う場合、按分後の22万5,000円ではなく、按分前の取得価額45万円で処理区分を判定します。
したがって、上の例では「40万円未満」の特例に入らず、通常の減価償却を行ったうえで、その年の減価償却費に50%を掛けます。
例えば、45万円のPCを7月から使い始め、定額法、耐用年数4年、業務割合50%とする単純化した例では、初年度の必要経費は次のように計算します。
450,000円×0.25×6カ月÷12カ月×50%=28,125円
一方、2026年8月に33万円のPCを購入し、青色申告をする中小事業者として特例の要件を満たし、業務割合が70%なら、その年に経費算入する業務分は23万1,000円です。
330,000円×70%=231,000円
取得価額には、原則として本体価格だけでなく、送料や仕事に使える状態にするため直接必要な費用も含めます。消費税の課税事業者は税込経理か税抜経理かで判定額が変わる場合があります。
以前から私用していたPCを副業へ転用する場合
手持ちのPCを副業用へ変えた場合は、転用時の中古相場をそのまま全額経費にするのではなく、非業務用期間の価値減少を反映した未償却残高を計算します。
購入日、購入価格、副業へ使い始めた日、業務割合が必要です。新品を副業開始と同時に買った場合より計算が複雑になるため、国税庁の「中古資産を非業務用から業務用に転用した場合の減価償却」を確認してください。
会計ソフト代は副業用なら経費にしやすい
副業の売上・経費の記帳や確定申告に使う会計ソフトの料金は、業務との関係が明確であれば必要経費にしやすい支出です。
月額制や年額制のクラウド会計ソフトを副業専用に使うなら、利用料金を経費として説明しやすくなります。家計簿機能を私生活でも大きく使っている場合や、家族の申告にも共用する場合は、副業との利用関係を確認します。
年額プランを年の途中で支払った場合は、契約期間が翌年へまたがるかを確認してください。原則として費用はサービスを受ける期間に対応させますが、一定の短期前払費用に該当する場合など、処理が異なることがあります。
買い切り型ソフトは、取得価額が高ければ無形固定資産として減価償却が必要になる場合があります。単に「ソフトだから全部その年の経費」と決めないことが重要です。
機能や料金を比較したい方は、副業におすすめの会計ソフト比較|マネーフォワード・弥生・freeeの選び方も参考にしてください。
経費にできるか迷いやすい支出の具体例
同じ品物でも、仕事との関係と利用実態が違えば結論は変わります。
| 支出 | 判断の目安 | 理由・残す記録 |
|---|---|---|
| 受注分野の専門書 | 経費にしやすい | 案件名、記事テーマ、購入目的を記録する |
| 副業に直結する実務講座 | 条件付き | 現在の業務との関係、カリキュラム、受講記録を残す。一般的な自己啓発や新しい職業のための学習は慎重に判断する |
| カフェでの作業代 | 条件付き | 場所代としての必要性、作業内容、日時を記録する。通常の食事代まで自動的に経費にはならない |
| 取引先との打ち合わせ飲食 | 条件付き | 相手、人数、案件、目的を記録する。友人との私的な会食は不可 |
| 自分一人の昼食 | 原則として難しい | 仕事をしていても通常の生活費という性質が強い |
| 普段着として使える服 | 原則として難しい | 仕事で着たという理由だけでは私生活との区分が難しい。制服、舞台衣装など業務専用性が高いものは個別判断 |
| 展示会・取材への交通費 | 経費にしやすい | 訪問先、目的、成果物を記録する。私的旅行を兼ねる場合は副業分だけを分ける |
| 動画配信サービス | 条件付き | 作品レビューなど業務目的の範囲を説明する。娯楽利用が中心なら全額計上は難しい |
| 机・椅子・撮影機材 | 条件付き | 業務割合と取得価額を確認し、高額なら減価償却する |
| ドメイン・レンタルサーバー | 経費にしやすい | 収益化するブログや事業サイトとの関係、契約期間を記録する |
| 生成AI・画像編集・素材サイト | 条件付き | 案件制作や運営サイトで使う割合を記録し、私用分を除く |
ブログ運営に必要な費用を確認したい方は、副業ブログにおすすめのレンタルサーバー3選|料金・バックアップを比較も参考にしてください。
税金・社会保険料は経費と所得控除を分ける
所得税と住民税は必要経費になりませんが、個人事業税は必要経費となり、国民年金や国民健康保険料は経費ではなく社会保険料控除の対象です。
| 支出 | 主な扱い |
|---|---|
| 所得税・住民税 | 必要経費にならない |
| 個人事業税 | 必要経費になる |
| 固定資産税 | 業務用部分に限り必要経費を検討する |
| 国民年金・国民健康保険料 | 必要経費ではなく、要件に応じて社会保険料控除 |
| 罰金・科料・過料 | 必要経費にならない |
家事按分は50%未満でも一律に否認されるわけではない
国税庁の通達では、業務上必要な部分が50%以下でも、その部分を明確に区分できれば必要経費に算入して差し支えないとされています。
「副業利用が半分未満なら1円も経費にできない」という説明は正確ではありません。一方で、割合を自由に決めてよいわけでもありません。支出の性質に合う基準を選び、同じ条件では同じ方法を継続します。
| 費用 | 按分基準の例 | 避けたい決め方 |
|---|---|---|
| 家賃 | 床面積、専用性、利用日数・時間 | 在宅副業だから無条件に50% |
| 電気代 | 作業時間、使用部屋、業務用機器 | 家賃と同じ割合を理由なく流用 |
| インターネット | 接続時間、仕事日数、利用人数 | 毎年根拠なく割合を変更 |
| スマホ | 通話明細、データ使用、業務アプリの利用 | 端末代と通信料を区別しない |
| PC | 使用時間、業務用アカウント、用途 | 取得価額を按分してから10万円・40万円基準を判定 |
| 自動車 | 業務走行距離÷総走行距離 | 訪問記録や走行記録を残さない |
最初の1カ月だけ作業時間や通信状況を詳しく測定し、その結果を年間の基準にする方法もあります。ただし、働き方や家族の利用状況が変わったときは再計算してください。
領収書と一緒に「仕事との関係」を保存する
経費の証拠は領収書1枚ではなく、支払事実、内容、仕事との関係、按分根拠を組み合わせて残します。
経費を支払ったら、次の内容を記帳または証憑へ追記します。
- 取引日
- 支払先
- 金額
- 購入した商品・サービス
- 関係する案件、顧客、運営サイト、売上
- 業務割合と計算式
- 現金、カード、振込などの支払方法
クレジットカードの利用明細だけでは、購入内容が分からないことがあります。領収書、請求書、注文履歴、契約書なども保存してください。紙の領収書を紛失した場合も、直ちに経費がゼロになるとは限りませんが、請求書、振込記録、メール、業務日誌などで取引を説明できるようにします。
メール添付のPDF、Webサイトからダウンロードした領収書など、電子取引で受け取ったデータは、原則としてデータのまま保存します。紙へ印刷しただけで元データを削除しないようにしてください。
帳簿や書類の保存期間は申告方法や書類の種類で異なり、5年または7年などの期間が定められています。迷う場合は7年間保存する運用にすると管理しやすくなります。
口座・カード連携や領収書管理を自動化したい方は、副業におすすめの会計ソフト比較を確認してください。
副業の経費に関するよくある質問
少額の副業でも記録は必要であり、「売上が少ない」「領収書がある」「開業届を出した」だけで経費の可否は決まりません。
副業所得が20万円以下なら経費を記録しなくてもよいですか?
20万円は経費を記録しなくてよい基準ではなく、一定の給与所得者が所得税の確定申告を省略できるかを判定する基準です。
所得は売上から必要経費を差し引いて計算するため、20万円以下かどうかを判定するにも記録が必要です。所得税の確定申告を省略できても、住民税の申告が必要になる場合があります。詳しくは、副業所得が20万円以下なら確定申告は不要?住民税との違いをご覧ください。
売上がまだ0円でも準備費用を経費にできますか?
売上発生前でも、利益を得る目的で具体的に開始した業務へ直接必要な費用なら、開業費や必要経費として検討できる場合があります。
ただし、「いつか副業に使うかもしれない」という一般的な学習費、趣味の機材、私的な旅行まで経費にはできません。事業計画、営業記録、ポートフォリオ、契約準備、サービス公開日など、収益化へ向けた客観的な行動を残してください。雑所得の場合は事業所得の開業費と同じ処理ができるとは限らないため、個別に確認が必要です。
副業が赤字なら本業の給与から差し引けますか?
業務に係る雑所得の赤字は、給与所得など他の所得と損益通算できません。
事業所得の損失は一定の条件で損益通算の対象になりますが、副業を開業届だけで事業所得に変えることはできません。収入規模に比べて著しく大きい支出を計上し、給与から差し引くことを前提にするのは避けてください。
家賃や通信費を100%経費にできますか?
副業専用の事務所や回線で、私用していないことを説明できれば100%も考えられますが、自宅や家族共用回線の全額計上は慎重な判断が必要です。
仕事専用の契約、専用スペース、利用記録があるほど説明しやすくなります。家賃と通信費を同じ割合にそろえる必要はありません。
レシートに「お品代」としか書かれていなくても大丈夫ですか?
支払先と金額だけでは購入内容や業務目的が分からないため、商品名、用途、案件名を追記し、注文履歴なども一緒に保存します。
高額な機材、会食、旅行を伴う取材などは、通常の消耗品より詳しい記録を残してください。
開業届を出せば経費の範囲が広がりますか?
開業届を提出しただけで、私用の支出が経費になったり、所得区分が自動的に事業所得へ変わったりすることはありません。
青色申告を利用するには別の申請が必要であり、特典にはそれぞれ要件があります。詳しくは、副業の開業届は出すべき?出さない場合との違いを解説で確認してください。
副業の経費を記録する手順
経費は確定申告の直前に思い出すのではなく、支払った時点で用途と按分根拠まで記録します。
| 順番 | やること | 残すもの |
|---|---|---|
| 1 | 収入が給与・事業・雑所得のどれに当たるか整理する | 契約書、募集条件、支払明細 |
| 2 | 副業用の口座とカードを決める | 口座明細、カード明細 |
| 3 | 支払時に領収書・請求書・注文履歴を保存する | 紙の証憑、PDF、メール |
| 4 | どの仕事や売上に必要だったか記録する | 案件名、顧客名、記事URL、納品物 |
| 5 | 私用兼用の支出へ按分基準を決める | 面積、時間、通信、走行距離の記録 |
| 6 | PCなどは取得価額と使用開始日を確認する | 購入日、価格、送料、使用開始日 |
| 7 | 毎月記帳し、売上と入金の差も照合する | 帳簿、売掛金、手数料の記録 |
| 8 | 年末に割合と未処理の取引を見直す | 按分計算表、固定資産台帳、未払・前払一覧 |
まとめ
副業の経費で大切なのは、できるだけ多く計上することではなく、収入との関係と金額の根拠を後から再現できることです。
- 業務委託などの所得は、基本的に売上から必要経費を差し引いて計算する
- 副業アルバイトの給与は、事業所得・雑所得と同じ経費計算をしない
- 家賃は面積と利用実態、通信費は回線ごとの利用実態で按分する
- 業務割合が50%以下でも、必要部分を明確に区分できれば一律に不可ではない
- PCは家事按分前の取得価額で処理区分を判断する
- 2026年4月1日以後の少額減価償却資産の特例は、一定の青色申告者について40万円未満が基準
- 会計ソフト代は副業専用なら経費にしやすいが、契約期間と利用範囲を確認する
- 電子領収書はデータのまま保存し、仕事との関係と按分根拠も残す
経費にできるか迷ったら、「誰に、いつ、何を払い、どの仕事に、何%使ったか」を1行で説明してみてください。その説明と証拠が一致していれば、確定申告時にも判断を再現しやすくなります。
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参考資料
制度の細部や最新の改正内容は、国税庁・財務省・中小企業庁の公式情報で確認できます。


